《ことばのこと》#10「三タテ」

コロナ禍でも無事に開幕を迎えた2021年のプロ野球。福岡ソフトバンクホークスは、開幕から4連勝の後、一転して5連敗。先週末の埼玉西武ライオンズとの対戦は3連戦3連敗に終わりました。

※写真は過去のものです

ホークスが地元福岡でライオンズに3連戦3連敗を喫したのは、ダイエー時代の2004年以来17年ぶりなのだそう。当時のホークスはライオンズが苦手。実況を担当したダイエー対西武の中継でも、「何故、ホークスはライオンズに弱いのか」をテーマに据えたことを思い出しました。

3連戦3連敗と言えば…

テレビのスポーツニュースや新聞記事で「三タテ」という表現がよく使われます。先週末は「ホークスがライオンズに『三タテ』を食らった」わけですが、最近時々見かけるのが「○○相手に三タテしました」という言い方。去年の日本シリーズでホークスが4連勝で日本一になった際には「四タテで日本一」という原稿にも接しました。

と、ここで素朴な疑問。「三タテ」の「タテ」とは、一体……。大辞林を引くと、

《助数詞。勝負に続けざまに負けた数を数えるのに用いる。連敗。「三~を食う」》

ちなみに、漢字で書くと「立て」。となると「四タテ」もあるものの、勝った数を数えるのことに使うのは、やはり誤った使い方です。

情報の送り手として普段、何気なく使っている言葉も、辞書を引いてみると、その言葉の意味や語源がわかります。それを知れば自ずから誤用も減りますね。