≪ことばのこと≫#6「1分、2分、3分…」

プロ野球も開幕。本格的なスポーツシーズン到来です。TNCでもプロ野球のホークス戦をはじめ、この春も様々な種目のスポーツをお伝えしています。

私も、4月22日(日)の深夜1:00から放送の、

「社会人アメリカンフットボール

    オーパーツ福岡SUNS 対 エレコム神戸ファイニーズ」

九州初開催の、アメリカンフットボールXリーグ春季交流戦の実況を担当します。先日も、オーパーツ福岡SUNSの練習取材へ…

さて今回は、スポーツ中継の放送席でのお話…

放送開始時刻が近づくと、放送席でアナウンサーに指示を出すフロアディレクター(FD)が、放送までの時間を伝えてくれます。

その日も、若いFDが「本番5分前です!」と大きな声。その声で気持ちも引き締まりますし、アナウンサーも放送に向けての最終チェックに入ります。その1分後、再び元気いっぱいに「ヨンフン前です」。ん?最近の若い人はそうも言うわなあ…と、聞き流したものの、その1分後「サンフン前!」。

ちょっと待て!本番前はこちらも細かいことが気になってしまう。FD君に「それは、ヨンプン、サンプンだよ」と、少々きつい口調で言ってしまった…

そして、その1分後…

「よろしくお願いします!本番ニプン前!」

本番直前、あやうく椅子から滑り落ちそうに…

「1分、2分、3分…」前がつまる音「っ」と、「ん」の時だけ「プン」になるという簡単な法則なんですけどね。

あれから10年近く…今や若い人たちは当たり前のように、「サンフン」「ヨンフン」。放送でもごくたまに耳にするほどです。これも日本語の変化なのでしょうか。

アナウンサーが日本語を変えるのではなく、日本語の変化に最後方からついていく。その心を大切にしていきます。