2012/08/24 23:35
先日、九州産馬の取材に、熊本阿蘇まで行って来ました。
訪れたのは、熊本で牧場を営む村山光弘さん、50歳。
九州産馬の数は、全国的に見ると僅か1%。
そんな中、7年前に村山さんは、この世界に足を踏みいれました。
元々、畜産農家で、和牛を生産する牧場を経営していた村山さん。
日本の競馬界最大規模の社台グループの創始者「吉田善哉物語」が
この世界に入るきっかけだったのです。牛の畜産を続けていれば経営も
順調に進んでいたのに、敢えて競走馬の生産を手掛けようと思ったのは、
そこに、大きな夢があったから。競走馬を育てる為、手作業で厩舎を建築、
畑を放牧地にしたのです。当然、当時は、
周囲の猛反発もあったそうですが、それをバネに変え、JRA通算ここまで7勝を挙げ、
九州産の存在感を短期間でしっかりと示しています。村山さんの夢・・・。
「競馬、競走馬には、そこに携わるすべての人間の思いやりや、失敗、それを糧にする
人間ドラマ、人間模様、喜び、色々な感情が、詰まっているんです。だから、
僕らの1勝は、単なる1勝ではないし、出走する意味は、単なる出走ではないのです」
そう語る村山さん。僕は、今回の取材で、
競馬番組キャスターとして、改めて競馬において、一番大切なもの、忘れていた事を、
気付かされた気がしました。その馬に懸ける情熱、出走までに辿る人間ドラマ、
再来年、産駒がデビューする管理馬「ダノンゴーゴー」をなでる様にブラッシングする
その表情は、本当に生き生きとしていて、これが本当に夢を追い求めている人の
瞳なんだと感じました。この模様は、日曜日午後3時からの競馬BEATで。