≪ことばのこと≫#2 「なんか変!?」

と、言っても決してコレではありません…

先日、テレビで中継リポートを見ていた時のこと。女性リポーターの、「日本酒なんかにもよく合う味です」とのコメントに、私は「もしかしたら彼女は日本酒が苦手なのかな」と、思ってしまいました。

「…なんか」という言葉を辞書で調べると、①一つの例として示す。「こちらの品~いかがですか」②望ましくないもの、価値の低いものとしてあげる。…など「おまえ~に負けない」「嘘~つかない」(『広辞苑』第7版)とあります。もちろん、①の意味で使っているわけで、日本語として誤りとはいえないでしょう。

(「君なんかはどう思う?」「お宅の息子さんなんかにいかがですか?」のような使い方は明らかな誤りですが)

とはいえ、「なんか変!?」と思ってしまうのは私だけでしょうか?そして、なぜそう思ってしまうのでしょうか?

様々な人が見ている中継で「日本酒なんかにも…」と使うと、「なんか」に②の意味がある以上、誤解されることもあるかもしれません。加えて言えば、①の例の「こちらの品なんか」という例文は、『こちら』という自分の側にあるものについての発言ですが、「日本酒なんか」の日本酒は、もしかしたら受け手の側のすぐそばにあるかもしれませんし、まさに日本酒で一杯やっている人もいるかもしれません。さらに言えば、酒蔵の方はどう思うか…

ほんの一言の言葉でも口にする前に一瞬で吟味して、その時々で、或いは場面場面で最も適した表現を選びたいものです。

ところで、福岡・百道浜界隈も、このところ少しずつ春を感じられる空気に変わってきました。

春が近づくと、ウキウキしてきます。50代の私なんかでも…

花見は日本酒がいいなあ。