「時空を超えて…」

久しぶりに中年アナのつぶやき…

デスク周りを整理していたら、30年前のプリントを発見。著作権の関係もあり、ここへの掲載は控えますが、そこにはアナウンサーの仕事の一つ「読む」という分野で、とてもとても大切なことが書かれていました。

新人時代の研修か、あるいは学生時代の教材か、今となってはどこで戴いたのかも覚えていない、A4サイズ2枚に書かれていた言葉。30年たった今も大事にしたい内容。さっそく日頃のナレーションに生かしています。

 

「一つだけまもってもらいたいのは、自然の節度を越えぬということだ。なにごとでもやりすぎれば芝居の目的からはずれることになる」

「だから、自然を超えてやりすぎれば、およばない場合も同じだが、素人をよろこばせはしても、玄人を悲しませることになる」

別の1枚には…

「一所懸命声を出しても大事なことが何であるかをつかめないと、やっぱり読めないんだ…」

「…無意味な微笑で読むな、という言葉があります。また抒情的といいますか、むやみにうたってしまったりすることで、これも本から離れていってしまう」

欄外には30年前の私の鉛筆書き…

〜内容が要求しているイントネーションでしゃべる。

〜好き勝手な調子はダメ。

〜むやみに強調しない、品が悪くなる。

〜基本は日常会話のトーン…

時空を超えて30年選手への戒め。

それにしても、30年という年月を経ての「発掘」にビックリ!

自分本位ではなく、テレビをご覧の皆さんにしっかり届く読みが大切です。


「シンプル……」

京都へ出張した5月のある日……

とあるお寺に立ち寄りました。しばし庭を眺め……

なんだか心が軽くなったような……

掃き清められた庭に、手入れされた木々、
まさに計算され尽くした景観。

見ていて飽きを感じさせない眺めでした。

放送で使う言葉もそうありたいものです。シンプルさが一番です。

京都では、フジテレビ系列の放送用語に関する会議に出席したのですが、そこで話題に上ったのが、「……となる」という表現。

以前ここでも書いたのですが、放送でも最近よく耳にします。

例えば、『4年ぶりとなる1ドル100円台』『九州初となる』、

スポーツニュースでも『引き分けとなりました』『5試合連続となる』、

情報番組でも『締め切りは来週月曜日となっています』など。

いずれも『4年ぶりの1ドル100円台』『九州で初めての』『引き分けに終わりました』

『5試合連続の』『締め切りは来週月曜日です』と言い換えることができます。

マイクに向かうとき、シンプルで、計算され尽くした表現を心がけたいものです。


「桜」

先週プライベートで東京に行った際に撮った1枚。この日は、気温も20度を超え、まさにお花見日和……

福岡の桜も今が満開。我が家の近くに桜並木があるのですが、毎朝、このまま出社せずに花見をしたい衝動にかられてしまいます。しかし、明日の福岡はどうやら「花の雨」の予報……

「花は桜木……」という言葉の通り、日本人にとって、桜はなくてはならないもの。丁度、年度替りにも重なって、ある意味気持ちを引き締めてくれますよね。

「花明り」「花嵐」「花がすみ」「花風」「花雲」「花盛り」「花疲れ」「花錦」「花
冷え」「花吹雪」「花催い」……パラパラと辞書をめくっただけでも、「花」がつく言葉がたくさん出てきました。

言葉を使いこなせるアナウンサーでありたいものです。


感動

日曜日、レベルファイブスタジアムで「感動」を味わいました。

アビスパ福岡のホーム開幕ゲーム、モンテディオ山形との一戦。石津選手のまさに起死回生の同点ゴール。そして、新加入の金久保選手の名刺代わりの美しい勝ち越しゴールで開幕連勝。思わず記者席で「よっしゃあ!」と声をあげてしまいました。

さらに感動したのは、試合終了後のスタジアム。サポーターとともに、プシュニク監督、そして選手が声を合わせて「1、2、3、アビスパ!」の大合唱。

シーズン序盤にここまで「感動」を、そして「一体感」を味わったのは初めて。

キャンプ初日に宮崎で、プシュニク監督にインタビューしたのですが、冷静さとひたむきな情熱、そしてユーモア溢れる方でした。

この日のゲームも、「素早く、そしてコンパクトに」という意思が感じられる、そして何かやってくれそうという期待感を大いに抱かせる内容でした。

今週末、20日もホームで、京都との対戦。今月はレベルファイブでの試合が続きます。
皆さんも是非、スタジアムへ!そしてアビスパの情報も、「DO!すぽ」で!


週末は…

週末は、風は少し冷たかったものの、きれいな青空でしたね。

小倉競馬場も、早春の明るい日差しが降り注いでいました。

気がつけば、競馬中継の仕事も、もう20年以上。
中継スタッフの中には、私が競馬を担当し始めたころ生まれたという若手もいて、時の流れを感じます。

きのうの「競馬BEAT」では坂梨アナウンサーが、初めての牧場取材、あのディープイ
ンパクトを紹介していましたが、私の初取材は、確かオグリキャップの生産牧場でした。
またまた、時の流れを感じます。

……写真は、実況席の坂梨アナウンサー。
この冬から、「競馬BEAT」のキャスターとしても活躍しています。

冬の小倉開催もあと1週。きのうの小倉では、去年の秋華賞の3着馬、アロマティコが力
の違いを見せてくれました。阪神競馬場の阪急杯で、圧倒的な強さをみせたロードカナロアのデビューは、そういえば冬の小倉(2010年暮れ)でした。

「昔は競馬場によく行ったけど……」「最近、馬券買わないねえ…」などとおっしゃる皆さん、今度の週末は、春の風が感じられる小倉競馬場へ足を運んでみませんか。
競馬の世界も「チューリップ賞」「弥生賞」と、春のクラシックの足音が聞こえる季節です。
でも、日曜午後3時の「競馬BEAT」はお忘れなく。

競馬実況……このブログのタイトル『本番5秒前』を一番強く感じる瞬間です。
(詳しくはブログ初回へ)